ケス

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ケス/KES(1969、イギリス、111分)
●原作:バリー・ハインズ
●脚本:バリー・ハインズ、トニー・ガーネット、ケン・ローチ
●監督:ケン・ローチ
●出演:デヴィッド・ブラッドレー、コリン・ウェランド、リン・ペリー、フレディ・フレッチャー

イギリス映画はつまらない、と言われることがたまにあるが、それはつまり、その人がつまらないと感じる部分が―いかにもイギリス風、もしくはイギリス人でなければ理解できないような部分―であるからだと思う。


15歳の少年・ビリーには父親がいない。母親と、炭鉱で働く乱暴な兄貴・ジャドと3人暮らし。朝早く新聞配達に行ってから学校に行く。厳しい規律を振りかざし体罰も働く嫌な教師たちと、つるむ連中も不良ばかり。卒業後の就職にも希望は無い。そんな毎日。

そんなある日、ビリーは森で一匹のタカのひなを見つける。そのタカにケスと名付け、万引きした本を参考に餌付けをし、訓練をしようとする。訓練が上達してゆくにつれ、ビリーは日々の生きがいを見出してゆく。

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暗い。とにかく暗いって印象が残る。曇りの日ばっかりだし、人々の表情にも生気が見られない。炭鉱の町の不況という名の現実。

それでも、体育のサッカーの授業で自らをボビー・チャールトンだと言って独裁的に振舞う体育教師と無理矢理キーパーをやらされたビリーのやり取りは、切ないような悔しいような気分なのになぜか一瞬笑ってしまう。

現実は厳しい。それすらもジョークにして笑ってやろうというイギリス人の精神を、そんなシーンに垣間見たような気がする。

いや、現実は厳しい、というより、これが現実だ、とケン・ローチは言いたかったのかな。

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