マイ・ネーム・イズ・ジョー

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マイ・ネーム・イズ・ジョー/my name is joe(1998、イギリス、104分)
●監督:ケン・ローチ
●出演:ピーター・ミュラン、ルイーズ・グッドール、デヴィッド・マッケイ、アン=マリー・ケネディ、デヴィッド・ヘイマン、ゲイリー・ルイス、ロレイン・マッキントッシュ、エレイン・M・エリス


笑ったシーンは3つ。

1.冒頭、断酒会の帰りにジョーが監督をするサッカーチームのメンバーたちのアパートへ行き、ドアを叩いて「警察だ!」慌てて窓から逃げようとしてジョーに気付き、「クソ!ジョーだ!」

2.大事な地元のリーグ戦、ホームチーム(といっても同じ町内だが)とジャージがモロに被り(西ドイツ)、審判にアウェイチームが脱いでくださいと言われ、替えが無いため上半身裸でサッカーをする。

3.チームのメンバーでブラジル代表のジャージを盗み、それをジョーは怒りもせずただ笑う。


この映画はとても重く、暗く、救われない。

だからと言って悪い映画だなどとは全く思わない。

おそらく、これがイギリスの現代社会の底辺で生きる人々の現実なのだろうから。

映画の中だけの浮ついた話で終わらせたくない、だからこんな終わり方なのだと思う。

同じテーマで描いた映画も多いだろうが、たいていラストは何かしらの救い道を用意したり、解答・正解・メッセージ・一件落着・教訓などを残して終わりそうである。

この映画ではケン・ローチは何も言わず、何の余韻も残さずあっさり終わらせた。

呆然と残された観客である僕は、結局映画の中の人たちとは違う国で生き、違う現実で生きているんだ、と何の感情移入も無く、作品の中に引き込まれるようなことも無く、ただそんなことを実感するしかなかった。

「ドキュメンタリータッチの~」とかの比喩じゃなく、ケン・ローチは実際ドキュメンタリー出身の人なのだ。

暗く、重く、救われない。

でも3回も笑ったじゃないか。

それで十分だ。

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