リフ・ラフ

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リフ・ラフ/Riff-Raff(1991、イギリス、94分)
●脚本:ビル・ジェシー
●監督:ケン・ローチ
●出演:ロバート・カーライル、エマー・マッコート、ジミー・コールマン、リッキー・トムリンソン、ジョージ・モス、デヴィッド・フィンチ、キャリー・J・ラミン


ロンドンの建設現場で働くスティーブを主人公に、歌手を夢見るスーザンとの恋や仕事仲間たちとの日常を描いていく作品。

コマーシャルな観点から見れば“ラブストーリー”となるが、実際映画を見てみるとスティーブとスーザンの恋愛も単に日常の1シーンという感じを受ける。

出会いも別れも普通で、というかそれはスティーブの日々の暮らし全般に言えることだが、全くドラマ性がないのだ。

どうでもいい普通のことを普通のこととして-それも出てくるのは労働者階級の最下層のやつら(riff raff)-淡々と撮っていくだけの映画である。

よくある陳腐な映画やドラマにありがちなご都合主義とかお涙ちょうだいとか夢とか希望とかそんなもの無い。


スーザンが淋しさを紛らわせるためにヘロインを使ったことに対し激怒するスティーブ。仕事場のビル解体現場で喧嘩を始める二人。

観客はこんなシーン見せられて何を思う?

どうせ最初から長続きするわけないことなんか分かっていたしスティーブに結婚する気がないことなんて火を見るより明らか。

もちろんヘロインを使ったことに正当な言い訳なんてない。

本当に何の生産性もロマンスもドラマ性もない別れ際の喧嘩。

多分二人の人生においてもさして重要性のない出来事だろうし、映画的にも白けるほどあっさりとした別れのシーンだ。

実際僕もこのシーンを見て白けていたし、同時に感動していた。

映画で恋人の別れというものをここまでつまらなく、ドラマ性もなく、淡々と乾いた視点で撮れるのかと。

これがケン・ローチの映画の力か。


ドキュメンタリーではなく、現実を映画の中に現実として映し出して見せたようだった。

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