麦の穂をゆらす風

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麦の穂をゆらす風/THE WIND THAT SHAKES THE BARLEY(2006、イギリス=アイルランド=ドイツ=イタリア=スペイン=フランス、126分)
●監督:ケン・ローチ
●出演:キリアン・マーフィー、ポードリック・ディレーニー、リーアム・カニンガム、オーラ・フィッツジェラルド、メアリー・リオドン、メアリー・マーフィー


ケン・ローチ作品ということである程度は覚悟していたが・・・、今回も暗く救いの無い終わり方になっている。


1920年からつづくアイルランドのイギリスからの独立運動を描いており、ケン・ローチのリアルで真摯なまなざしは必然的に観客をこの映画のアイルランド人達に感情移入させてしまう。

戦争の悲しさというのは、自分の村・町が戦場となり自分の家が焼かれ自分の故郷が破壊され、自分の知ってる人が撃たれ自分の愛する人が殺されるというところだ。

そういった場面が本作の中では幾度となく映される。

主人公を始めとして登場人物の設定や描写がしっかりしているからこういう場面に重みとリアリティが出る。

それでいてやはりどこか一歩引いたところから見ているように感じる。

決して主人公をヒーローとして描いていないし、皆アイルランド独立を勝ち取るためには闘うしかないんだというやるせない決意を滲ませており変な美談に仕上げてもいない。


そして最終的にイギリスとの講和条約を巡り、条約賛成派と反対派に分裂し文字通りの身内の殺しあいが始まる。。。


あまりの悲痛さに言葉を失ってしまった。

「すばらしい映画でした」などとも軽々しく言えない。まるでこの戦争を讃えてしまうような気がして・・・

唯一の救いは緑あふれるアイルランドの大変美しい風景だ。

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